前回記事の続きです。
地質調査を行うと、地盤調査報告書を作成していただけます。
この地盤調査報告書をしっかりと読み解くことが地盤改良の必要性を検討する上で最も重要なことです。
地盤調査報告書の主な検討内容(住宅の場合)
影響される範囲に自沈層がないかを調査することが主な検討になります。
自沈層とは、試験を行った際に重りが外力をかけずに沈んでいく層のことをいいます。
サウンディング試験の場合25㎝刻みで調査結果が出ていますので、25㎝ごとにどのくらい自沈するかを計算していきます。
サウンディング試験は5~6m程度行ったと思いますので
5~6m分の自沈量を算出し、数値が大きいと地盤改良が必要になります。
※ボーリング標準貫入試験で行った結果に対する検討は、設計者や地盤改良業者によってアプローチがかなり異なり一概に説明できませんので、注意してください。
1つサンプルデータで見てみます。
上記のデータでは3.37mで固い地盤が出ており調査を終了しています。山近くの土地でしたので、地山に当たったと判断し終了としています。
また、1.00mまでは以前表層改良程度のことを行っていたことがわかります。整地した部分に土質改良材でも添付したのかなと推測します。
1.50~3.00mまでは自沈層ですので、今回はここを沈下層と判断しています。
地盤改良の判断の程度は?
・5~6m合計の自沈量が5cmを超えてくると地盤改良が必要になります。
・2cm以下ですと外部との取り合いにもよりますがしなくてもよいかもしれません。
・2~5cmは難しい判断になります。
地盤改良しないとどうなるの?
5cm以上地盤が沈下すると周囲の外構の取り合いに絡んできます。
基礎の立ち上がり打ち継ぎが地盤面より5cmに設計されている場合、沈下してしまうと打ち継ぎ部が地中に入ってしまい床下の漏水の原因となります。そうなるとシロアリなどの2次被害にも見舞われます。
また、部分的に沈下したりすれば基礎のひび割れなどが発生し、こちらも漏水の原因になったりサッシが開かなくなったり、床が傾いたりしてきます。
アプローチに3段階段がある家だと1段目だけ低くなってきます。階段が1段だけ低いとつまづきや転倒の原因になりかねません。
少しの沈下でも、バリアフリー(スロープなどがある)になっていたり、水が溜まりやすい箇所などがある場合は注意しましょう。
以上、地盤改良について調べている方のご参考になれば幸いです。
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