令和2年度一級建築士試験合格発表とその考察(若い方が圧倒的に有利?)

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令和2年度一級建築士試験の合格発表がありました。(だいぶ前になってしまいましたが)

合格された方はおめでとうございます。コロナ禍の難しい環境の中、モチベーションを保ち勉強を続けることは非常に厳しいものがあったと思います。

さて、今年は新制度になって初めての試験でした。

なんといっても受験資格の要件が大幅に緩和され大卒1年目でも受験可能になっています。

それほどまでに建築技術者の減少が危機的だということがわかります。

ここからは私の受験エピソードです

私は数年前に一級建築士を取得したのですが、

旧試験は大卒+2年の実務経験が必要でした。

しかし、私が就職した会社は社会人になっての1か月は実務経験にならず

(ビジネスマナーや社交辞令的なことだと建築の実務には含まれないらしい)

社会人4年目にして初めて受験資格を得ることができました。

が、多忙を極めすぎて申し込みにもいけず受験しませんでした。

こんなことがあったのですが、

それが今年からはなくなるのだと思うと羨ましい限りです。

個人的には資格はできるだけ早く取得して、もっと高度な学習をより多くしていったほうがいいと思います。

ただ、一級建築士試験で学習する内容もその後につながってくるものなので、しっかりと体得できるまでするべきです。

でないと、あとで「こんなことも知らないの?」と言われてしまいます。

難化傾向?

令和2年と令和元年度までを比較すると、受験者数は大幅に増加しています。国土交通省の狙い通りですね。

しかし、合格者数はほとんど変わっていません。

製図に進める人の数は増えています。学科の合格率はさほど変わっていないため製図受験者数は増えました。

製図の合格率が過去5年で最も低くなっています。

学科、製図共に相対評価で行う試験ですので合格率が低くなれば難しい試験だったか、受験者の答案に疑問が多かったかのどちらかになります。

製図は少なからず体力勝負な面がありますから、今年から受験可能になった若い方の答案レベルが高かった可能性があります。

平均年齢がかなり若くなりました。新制度受験者の平均年齢が従来の最年少年齢に近いですからね。

新制度で受験可能になった人はもちろん初受験です。去年までは受験できなかった人たちですからね。みなさんストレート合格のはずです。

学科は従来の人が有利?

令和元年から令和2年にかけて

学科受験者は30,409-25,132=5,277人増えています。

製図受験者は11,035-10,151=884人増えています。

一概にあてはまりませんがこの増えた人数は新制度で受験した人に近い人数になりそうなので

新制度受験者学科合格率は推定16.75%

従来制度受験者学科合格率は過年度の受験生のいるためよくわかりませんが新制度受験者の合格率が学科合格率を下回っているのでこちらの方が合格率が高いと予想できます。

製図は圧倒的に新制度受験者有利?

新制度で製図合格した人は672人です。

そうするととんでもないことに

新制度受験者製図合格率は推定76.02%

従来制度合格率は推定30.78%

となりました。なので去年の製図合格率よりも5ポイント程度低くなり従来の受験者にとっては非常に厳しい試験となったのだろうと推察されます。

結果、

学科は知識が豊富な従来の受験者の方が強い

製図は若さと勢い、体力のある新制度受験者の方が圧倒的に強い

私は確率や統計を詳しく学んだことがないのであっているかはわかりませんが。このような推察もできるのではないでしょうか。

ふと合格発表の資料を見て思うことでした。

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